中野ファームは、北海道余市町の丘陵地帯に位置しています。初代が北海道へと入植した明治初期の頃、畚部村(フゴッペ…アイヌ語で波音の轟く所)と呼ばれるその地は厳しい北風と、鬱蒼と茂る笹と山々に囲まれていました。農耕機械が発達していなかった当時、山を畑へと開拓することは容易なことではありませんでした。開拓民は馬と共に朝から陽が傾くまで汗を流しても一面に広がる笹谷巨木にはばまれ、一日に広げられる畑はごくわずかなものであったと聞きます。以後中野ファームは、ワイン葡萄やさくらんぼ等、果樹栽培を主に歩んできましたが、台風によって葡萄畑が大きな被害を受け苦渋の決断の末、一心高糖度トマトの栽培へと転換し現在に至ります。余市町は気温の寒暖差が大きい為、農作物の糖度が高くなるという優位な気候に恵まれています。さらに中野ファームのトマトは日本海からそよぐミネラルをたっぷり含んだ潮風、水はけのよい赤土、水平線へと姿を隠すまで延々と降りそそぐ太陽の光、トマトにとって絶妙な自然条件のなかで育っています。
中野ファームでは、20年以上に渡ってトマトを栽培してきました。品質をもとめれば大量生産はできないのですが、”少量でも高品質”のトマトを念頭に栽培しています。
ここで中野ファームの栽培方法をご紹介します。トマトのRootsは南米アンデス地方。山岳地帯に広がる痩せた大地がトマトの発祥です。中野ファームはアンデス地方によく似た風土で、水はけの良い赤土と気温の寒暖の激しい小高い丘に立地しています。
わずかな水分をもとめて地表へ這い出す根。この根がトマトの底力になっています。おいしいトマトに育つためには基本的には水を与えません。あえて厳しい環境に晒すことで、トマトはより生きようとしますし果実の甘みと酸味は強くなります。アンデスのトマト同様です。
甘いトマトの見分け方は色々とありますが、もっとも顕著に現れるのがこのベースグリーンです。赤く色づく前にしかわかりませんが、この色が濃ければ濃いほど糖度は高くなります。
夕陽のような深い朱赤になるまで、じっくりと時間を
かけ樹上で完熟させたトマトのみ使用しています。長
い時間をかけ太陽光をたくさん浴びたトマトは、糖度
が8〜10度にもなり、さらに酸味とコクがギュッっと
凝縮された、まろやかで濃厚な風味が口いっぱいに広
がります。無塩でその他の添加物もいっさい使用して
いませんので、トマトジュースが苦手な方でもおいし
く召し上がれます。さらに畑で収穫したものをすぐに
搾り、瓶詰めするのでおいしさが生きています。まる
で、畑でもぎ取ったばかりのトマトを丸かじりしてい
るような感覚を楽しんで頂けることと思います。中野
ファームでは、トマトの風味、香り、栄養が損なわれ
ないように通常よりも手の込んだ加工方法を採用して
います。まず、約70度の低温で煮込んでから、120
度の熱せられたパイプに通して瞬間殺菌、瓶詰めした
後に100度で最後の殺菌をします。トマトは瓶の中
で生きたまま、あなたが栓を抜くのを待っています。